富士山で知られざる噴火6回、湖の水中考古学2023/07/18 07:03

 富士山で知られざる噴火が、4千年から5千年前の間に、少なくとも6回発生していたという。 山梨県富士山科学研究所と東京大学大気海洋研究所の研究チームが、6月30日国際学術誌に発表した。(6月30日朝日新聞夕刊)

 過去の噴火については、地層に残された火山灰など火山からの噴出物の痕跡を探し、分析するのだが、陸上では浸食などで痕跡が失われる可能性がある。 そこで研究チームは、陸上に比べて痕跡が残りやすい湖に着目し、山中湖を対象にした。 山中湖は、富士山山頂から直線距離で約13キロ北東にある。

 1998年のボーリングで採取された湖底堆積物について、放射性炭素年代測定を実施、新たに湖畔で掘削調査もした結果、5050年前から3900年前にかけて、噴火の痕跡が残る六つの層が確認できた。 いずれも、北東麓(ろく)ではこれまで報告がない噴火だという。

水中考古学という分野がある。 日本の水中考古学は、1908(明治41)年に長野県諏訪湖の、諏訪湖底曾根遺跡で縄文時代の大量の石の鏃(やじり)が発見されたことに始まるといわれる。 琵琶湖北側の葛籠尾崎湖底遺跡では、縄文土器や弥生土器、石器など大量の遺物が発見されている。 縄文時代から平安時代にかけての数千年にわたるもので、引き上げられたものは葛籠尾崎湖底遺跡資料館に収蔵、展示されている。 しかし、なぜこのようなところに大量の遺物が、しかも長期間にわたって沈められているのか、いろいろな説が提唱されているが、まだ決定打はないという。

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