昇太の「そば清」と新・正蔵の「景清」2005/07/04 06:48

 春風亭昇太の「そば清」。 新聞を見ると、世の中、嫌な事件ばかりなのに、 ここの「ぼんやり」とした感じはどうだ、モンゴルの草原のようだ。 若手と いわれて18年、少し前までの「落語研究会」は、前のほうに、メモなんかし ている嫌な人がいて、楽屋に指摘事項を箇条書きにして届けて来たりした。(落 語を聴いても最近はすぐ忘れるので、ポイントをメモしている私は、ここでビ ビッて、昇太のはほとんどメモしなかった(笑)) にこやかに、有難うございま す、勉強になりますなんて箇条書きを受け取るけれど、その人が帰れば、踏ん づける。 親の言うことも聞かないで、落語家になったのに、人の言うことが 聞けますか。 中年、45歳になったのに若手、年配の人と食事して感じるのは、 若いんだからと、ごはんを食べさせようとすること。 師匠柳昇、お囃子のお ねえさん(といってるけれど、おばあさん)と、カツ丼を食べると、昇太のカツ 丼の上には、下からカツ・ごはん・カツ・ごはんが乗ることになる。 「そば 清」は、賭け蕎麦名人清さんの噺、そばを笑いながら(あるいは、笑うように) どんどん食べるところと、ついには耳からそばが飛び出すのが、昇太らしくて、 可笑しかった。

 林家こぶ平改め林家正蔵。 まだ、こぶ蔵なんて呼ぶ人がいる由。 最近は、 弟いっ平の高座での言動が気になる。 同じ商売だから。 「林家正蔵さん」 とか「彼」とか、言っていないか、と。  プログラムの長井好弘さんによると、「景清」は正蔵が三年前に第一回読売ギ ンザ落語会のトリでネタおろしをして熱演、カミナリに打たれて見えない目が 開く「景清」の主人公定次郎と同じく落語に開眼し、新聞の評に「こぶ平、や ればできるじゃないか」と書かれた。 それで母親の香葉子さんが、正蔵襲名 の話が鈴本の席亭から来ていることを、こぶ平に伝えた因縁があるのだそうだ。  「景清」、昇太に嫌われそうな古い落語ファンは、どうしても八代目文楽のを思 い出してしまう。 香葉子さんが、定次郎の母親のように「水ごウり」をとっ ているかどうか知らないが、それに近い気持で祈っていることは確かだ。 新・ 正蔵の一層の精進を期待しておく。

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