「枇杷の会」金沢八景吟行句会 ― 2014/10/31 06:43
再び横浜シーサイドラインで、海の公園柴口駅から並木中央駅まで移動、前 面に船溜りが広がる横浜市富岡並木地区センターの和室で句会をした。 私が 出したのは、つぎの七句。
潮の香や乙舳(おっとも)町の秋の晴
新海苔篊(ひび)通ふ船より波の寄せ
手入れよき松の枝先ヨットの帆
海風に秋明菊の揺れ幽か
太鼓橋渡ればとんびぴいひよろり
閑かさや長く水尾引く鴨の池
歴史ある文庫の庭に秋思ふ
私が選句したのは、つぎの七句。
石蕗(つわぶき)の蕾こつんこつんかな 英
八景を見上げて鯊や良く動く 洋太
船宿に干さるる布巾天高し 洋太
船溜り抜けて八景鯊日和 一舟
釣竿を引きて秋水分かちけり 孝治
海苔篊(ひび)の釣瓶落しを待ちて立つ 洋太
落葉拾ふまだしつとりと手に馴染み 孝治
私の結果は、互選が<潮の香や乙舳町の秋の晴>に孝治さんの1票だけだっ たが、英先生がその句と<新海苔篊通ふ船より波の寄せ><手入れよき松の枝 先ヨットの帆><海風に秋明菊の揺れ幽か>の4句を採って下さって、救われ た。
先生の選評。 <潮の香や>…地名が入ると難しいのだが、「舳」は舟の後ろ のことで、いかにも漁師町の名前、晴れて楽しい気分が満ちている。 <新海苔篊>…「海苔」は春の季題、「新海苔」は11月。「新海苔篊」は苦 しいが、海苔の収穫が始まったばかりの海の景が出ている。 <手入れよき松>…季題は「ヨット」で夏の句、「松手入」にするのは苦しい。 見事に手入れされた松の枝越しに、ヨットが見える。よき時代のヨット、7、 80年前の日本に来たばかりのヨット、モダンな感じ。(帰り道で、私は先生に、 26日の日記に書いた日本最初のヨットレースの一件をお話したのだった。) <海風に秋明菊の>…同じような句があったが(孝治さんの<海風に秋明菊 の花揺れて>も先生の選に入った)、これもいい。花と言わなくても、秋明菊の 高さと形が、その全体像が見えてくる。
「枇杷の会」、初めにも書いたが、せっかくのよい会なのに参加者が少ないの が惜しい。 初心者でも参加できるので、ぜひ一歩を踏み出してほしい。 今 後の予定は、平成27年5月24日(土)躑躅、花水木、紫陽花が見頃の本郷の 根津神社、旧岩崎邸その他を廻り、その次は、平成27年11月28日(土)(場 所は未定)だそうだ。
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