紋日と「死んで花実が咲くものか」2005/12/30 08:28

 立川談春がしゃべっているのを見ていて、顔もしゃべり方も中村勘三郎に似 ているなと思う。 昭和41年6月生れ、40歳。 最近は、男も女もなかなか 結婚しない。 とくに男がつらい。 女が男を相手にしていない。 もうすぐ 40歳となると、何かにおびえた目をしている。 世帯は持てるのだろうか。 会 社は潰れないで続くだろうか。 で、子供はできない。 この国は滅びるだろ う。 男が女にブランド物などいろいろ貢いで、機嫌を取ろうとしているのは、 昔の紋日だ、と。

 (落語通は「品川心中」などでご存知だが、紋日は物日の音便、五節句その他 の祝日で、特別な行事のある日。 遊郭では、飾りつけを改め、遊女は新調の 着物を着る。 馴染みの客は、この日は普段の倍の揚げ代を払い、遊女の見栄 に総花という祝儀を楼内一同にふりまく。 馴染み客がない遊女は「身揚り」 をしなければならなかった。 「身揚り」は、つまり自己負担。)

 「星野屋」の登場人物は、星野屋の旦那、妾のお花、その母親、お花を星野 屋に世話した重吉。 舞台は星野屋の妾宅、吾妻橋、そして妾宅。 あらすじ を知りたい向きは、今村信雄さんの『落語事典』(青蛙房)ご参照のこと。 談 春は、ほぼきちんと伝統にのっとって演じていた。 キーワードは、「さよなら、 失礼」心中未遂事件、一中節の文句「死んで花実が咲くものか」、「了簡試しま しょう」、「緑の黒髪」、「怪談うまいな」、「かもじ」、「ニセ小判」。 そして一枚 上の母親は、そんなこともあろうかと、三枚くすねておいたのだった。