判明した風天・渥美清の俳句は220句2017/09/03 06:47

 アエラ句会の45句以外の風天・渥美清の俳句の探索を始めた森英介さんは、 まず三年前に行って俳句を並べた大きな額を見た記憶があった信州・小諸の「渥 美清こもろ寅さん会館」へ行き井出勢可(せいか)館長を訪ねる。 展示の短 冊26句(詠まれた年月だけで出典は不明)は、アエラ句会になかったものば かり、館長への私信に3句、後からFAXで届いた19句(出典は不明)を含め、 合計48句が見つかる。 さらに渥美清の母校、板橋区立志村第一小学校の「寅 さんふれあいルーム」に42句があった。

 旧知のイラストレーター矢吹申彦(のぶひこ)から、渥美清が「話の特集句 会」のメンバーだったことを聞き、事務局の鈴木敬子(有)花林舎社長によっ て139句が判明した。 小諸と志村第一小の句は、ぜんぶこの中にあった。 整 理すると、風天俳句は183句になった。

 「話の特集句会」は、伝説の雑誌『話の特集』の元編集長の矢崎泰久が主宰 で、2008年の当時で42年も続いている、作家や俳優や著名人など、錚々たる 顔ぶれの句会だった。 渥美清は、1973(昭和48)年3月永六輔が連れて来 て初参加した。 メンバーだった和田誠によって、渥美清は「話の特集句会」 だけでなく、その後、灘本唯人が始めた「トリの会」9句や、「トリの会」を 若手グループが継いだ「たまご句会」にも参加していたことがわかり、29句が 見つかる。 「たまご句会」の記録には、1996年3月28日の句会、渥美清が 亡くなるわずか5か月前の、つぎの3句まであった。

がばがばと音おそろしき鯉のぼり

ポトリと言ったような気する毛虫かな

髪洗うわきの下や月明り

 森英介さんの探索によって判明、『風天 渥美清のうた』に収録された風天・ 渥美清の俳句は、句会での句217、私信3の、合計220句に及んだのである。