<渡り鳥なにを話しどこへ行く>2017/09/05 06:59

 風天・渥美清の俳句で、私の好きな句を、さらにいくつか。

むきあって同じお茶すするポリと不良

そのはねであの空飛んだか置物の鷹

目貼りしてあとすることもなく風を聞く

好きだからつよくぶつけた雪合戦

雛にぎるように渡すぶどうひと房

梅酒すすめられて坊主ふふくそう

びわの種のこされてふふくそう

ちまき汗かいてまじめそう

名月知っているのか移り変わりを

切干とあぶらげ煮て母じょうぶ

霜ふんでマスクの中で唄うたう

そばあっけなく食って扇風機

青写真きゅうくつそうに男女ノ川(みなのがわ)

鮎塩盛ったまま固くすね

渡り鳥なにを話しどこへ行く

 風天・渥美清の俳句には、こんな色っぽい句もある。

やわらかく浴衣着る女(ひと)のび熱かな

うつり香の浴衣まるめてそのままに

蛍消え髪の匂いのなかに居る

団扇にてかるく袖打つ仲となり

汗濡れし乳房覗かせ手渡すラムネ

パイパイにつつまれし夢ハンモック