圧倒的「石橋財団コレクション選」のすゝめ2024/01/21 07:54

「マリー・ローランサン―時代をうつす眼」展、〈マリーと文学〉の次は〈マリーと人物画〉で、デュフィ《ポワレの服を着たモデルたち、1923年の競馬場》、ヴァンドンゲンの《シャンゼリゼ大通り》、モディリアーニの《若い農夫》など館蔵の名品が並んでいて、アーティゾン美術館はいいものを沢山持っているなと、改めて感心する。 マリーの《マンドリンのレッスン》《二人の少女》《女と犬》は1923年の作だが、同時代にパリにいた東郷青児の《巴里の女》2点、《スペインの女》、藤田嗣治の《人形を抱く少女》と館蔵の《婦人像》《少女像》も展示されている。 東郷のは鹿児島市立美術館、SONPO美術館、藤田の《人形を抱く少女》は群馬県立近代美術館から来ている。 マリーの描く女性の白い顔は、藤田嗣治の白の影響があったのかもしれない、などと思う。

 アーティゾン美術館、まず6階が「マリー・ローランサン―時代をうつす眼」で、5階、4階の「石橋財団コレクション選」へと、下りていく仕組みになっている。 予定していなかった、これが素晴しかった。 それこそ教科書で見たことのある名画が、これでもか、これでもかと登場して、何時間でもここに居て、見ていたいという気分になる。

 コロー《森の中の若い女》、マネ《自画像》、モネ《黄昏、ヴェネツィア》、ルノアール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》、セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》、ゴッホ《モンマルトルの風車》、マティス《石膏のある静物》、ピカソ《腕を組んですわるサルタンバンク》、ルオー《エルサレム》、ビュッフェ《アナベル夫人像》。

 日本の画家も、岡田三郎助《薔薇の少女》、藤島武二《天平の面影》、青木繁《わだつみのいろこの宮》、中村彝《自画像》、安井曾太郎《F夫人像》、梅原龍三郎《ナポリよりソレントを望む》、小出楢重《帽子をかぶった自画像》、国吉康雄《夢》、古賀春江《素朴な月夜》。