「昼寝」と「箱庭」の句会2011/07/23 05:43

 14日は、「夏潮」渋谷句会だった。 7月14日は、パリ祭で、内視鏡の日だ そうだ。 そういえば、渋谷句会で「巴里祭」を季題にしたことがあった。 今 回の季題は「昼寝」と「箱庭」、会場は渋谷区の施設がまだ使えず、まだ「さす らいの渋谷句会」、メンバーのななさんがご親切に学芸大学の「鷹番住区センタ ー」を取ってくれた。 私は至便、学芸大学は子供の頃に工場があった懐かし いところ、会場は鈴木信太郎の絵のマッターホーン洋菓子店を曲がったところだ った。 毎日「昼寝」は欠かさぬし、「箱庭」は父がやっていた。 割合すんな り出来た、次の七句を出す。

悠々と昼寝(シェスタ)の国から来た男

昼寝から覚めて一瞬ここはどこ

昼寝して三途の川の辺まで

風通る海辺の宿の昼寝かな

箱庭や流し台上一箇村

箱庭に似付はしきは小糠雨

箱庭の仙人不老長寿かな

結果は珍しく上々、主宰選に四句、互選で六票入った。 主宰選は「三途の 川」「海辺の宿」「小糠雨」「仙人不老長寿」、「昼寝(シェスタ)の国」を美保さん・ 正枝さん、「三途の川」を梓渕さん・新参加の万華鏡さん、「小糠雨」を良さん、 「海辺の宿」をななさんが採ってくれた。

主宰の選評。 「三途の川」…面白い句、若い人にはつくれない、まだ現実 のものではないが、ある程度は死を意識する年頃。 「海辺の宿」…房州あた りの、昔からの、夏の間何日か滞在するような宿だろう。 「小糠雨」…箱庭 にはどんな雨が似合うか、想像して楽しんでいるのだろう、しみじみとした箱 庭の懐かしみ。 「仙人不老長寿」…「昼寝」も「箱庭」も、虚と実、綯い交 ぜの季題が揃った。 この句も虚と実の高等テクニック、人形の仙人も、箱庭 の中では実になる。