日露戦争が日本の命運を分けたという歴史観2020/05/18 07:09

島田雅彦さんは、三島由紀夫の最後の四部作『豊饒の海』、とりわけ『春の雪』 を強烈に意識して、2000年に皇室を巻き込んだ恋愛小説『無限カノン』三部作 『彗星の佳人』『美しい魂』『エトロフの恋』を上梓したという。 19世紀末の 日清戦争時に長崎の芸者だった蝶々さんの四代目に当たるカヲルと、不二子と の恋の物語のようだ。 『スノードロップ』で、不二子皇后は、遠い昔、常磐 カヲルと恋をし、カヲルの親友の伊能篤がその恋を手引きしたとある。 その 伊能篤は政治家となり、この国の理想主義者たちの最後の頼みの綱である野党 議員「七人の侍」の一人だったが、自殺に見せかけて殺されてしまう。 不二 子皇后は、伊能の遺志を継いで、この国が辿る没落への道を修正するために、 復讐に立ち上がるのだ。

    『スノードロップ』、島田雅彦さんの歴史観は、こういうものだ。 伊能議員 の後輩のロビイストで柳川昭夫というアメリカ政府の日本統治に奉仕してきた 人物の弱みを握って聞き出した話だ。 120年前の日露戦争が日本の命運を分 けた。 日露戦争とは、日本がアメリカのユダヤ系金融業者から借金をし、ア メリカの仲裁によってロシアに勝った戦争だった。 同時に同じユダヤ人がボ ルシェビキを支援し、帝政ロシアの崩壊を後押しした戦争でもあった。 日露 戦争の真の勝者は、アメリカとユダヤ系金融資本だった。 日本は莫大な負債 を抱え込んだので、その返済のために大陸で断続的に軍事作戦を展開し続け、 満州事変からアジア・太平洋戦争の泥沼に踏み込んでゆく。 敗戦によって、 主権を奪われ、占領下で非軍事化と民主化が進められたが、冷戦でアメリカは 間接統治を継続、平和主義の理想は憲法に残したまま、日米安保条約や日米地 位協定によって隷属システムは強化され、アメリカ最優先の「官僚制民主主義」 が権力の中枢をしめることになった。 日露戦争の借金を完済できたのは80 年後の1986年、東京サミットが開催され、バブル景気が到来した頃だが、ア メリカによる日本叩きも始まった。 85年の「プラザ合意」で、破産寸前だっ たアメリカ国債を大量に買わされた。 アメリカは、日本の銀行を次々と潰し てゆき、ようやく借金を返したと思えば、今度はアメリカの借金の肩代わりを させられることになったのだ。

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