「冷(すさ)まじ」と「浮草紅葉」の句会 ― 2024/10/16 07:11
10日は、『夏潮』渋谷句会、10月になっても夏日がつづいていたのだが、前日から急に涼しくなった。 兼題は「冷(すさ)まじ」と「浮草紅葉」、本井英主宰は兼題を「冷まじ」とした幹事を「先見の明」だと。 「浮草紅葉」「萍(うきくさ)紅葉」「水草紅葉」は、水生植物の菱・睡蓮・沢瀉(おもだか)・水葵(みずあおい)などが、花が終わり、秋も深まってくると、そこはかとなく色づいてくることをいう。
私は、つぎの七句を出した。
冷まじや月に浮かべる石舞台
屏風岩波に切立ち冷まじき
冷まじや動物園裏咆哮が
冷まじや夕闇迫る古墳群
冷まじや村の外れの土葬墓地
猿沢の浮草紅葉塔映し
尾瀬行けば池塘は浮草紅葉かな
私が選句したのは、つぎの七句。
昨夜(よべ)雨に濁る水嵩冷まじや 伸子
人棲まぬ家の片づけ冷まじや さえ
電線の唸り冷まじ旅寝かな 裕子
すさまじや俎板の鯉ひくひくと 照男
魚信探る水草紅葉濃きあたり 裕子
ハケ下の池の萍紅葉かな 英
白き根のゆらぐ浮草紅葉かな 礼子
私の結果。 <冷まじや月に浮かべる石舞台>を照男さん、作子さん、礼子さん、英主宰が、<屏風岩波に切立ち冷まじき>をさえさんと英主宰が採ってくれた。 さらに、<冷まじや夕闇迫る古墳群><冷まじや村の外れの土葬墓地><猿沢の浮草紅葉塔映し>の三句が英主宰選に入り、互選四票に、主宰選五句という望外の「前代未聞」「冷まじい」結果となった。
主宰選評。 <冷まじや月に浮かべる石舞台>…人気のあった句、今行けば石舞台だが、元は古墳、亡くなった人の生命が籠もっている。 <屏風岩波に切立ち冷まじき>…どこの屏風岩か(私は銚子の外れの)、季節が急に秋に変った、岩の色、波の色が目に浮かぶ。 <冷まじや夕闇迫る古墳群>…古墳巡りをしている内に夕刻となり、古墳に人間の魂を実感した。 <冷まじや村の外れの土葬墓地>…今でも田舎にはいったん集落の隅などに土葬し、骨になったのを墓に入れるところがある。ワッと焼かれるのとは違う。何千年も続いている生死の習わし、無常観がある。 <猿沢の浮草紅葉塔映し>…奈良は、塔が素晴らしい。虚子も、塔は京都より奈良のほうが素晴らしいと書いている。
私は、つぎの七句を出した。
冷まじや月に浮かべる石舞台
屏風岩波に切立ち冷まじき
冷まじや動物園裏咆哮が
冷まじや夕闇迫る古墳群
冷まじや村の外れの土葬墓地
猿沢の浮草紅葉塔映し
尾瀬行けば池塘は浮草紅葉かな
私が選句したのは、つぎの七句。
昨夜(よべ)雨に濁る水嵩冷まじや 伸子
人棲まぬ家の片づけ冷まじや さえ
電線の唸り冷まじ旅寝かな 裕子
すさまじや俎板の鯉ひくひくと 照男
魚信探る水草紅葉濃きあたり 裕子
ハケ下の池の萍紅葉かな 英
白き根のゆらぐ浮草紅葉かな 礼子
私の結果。 <冷まじや月に浮かべる石舞台>を照男さん、作子さん、礼子さん、英主宰が、<屏風岩波に切立ち冷まじき>をさえさんと英主宰が採ってくれた。 さらに、<冷まじや夕闇迫る古墳群><冷まじや村の外れの土葬墓地><猿沢の浮草紅葉塔映し>の三句が英主宰選に入り、互選四票に、主宰選五句という望外の「前代未聞」「冷まじい」結果となった。
主宰選評。 <冷まじや月に浮かべる石舞台>…人気のあった句、今行けば石舞台だが、元は古墳、亡くなった人の生命が籠もっている。 <屏風岩波に切立ち冷まじき>…どこの屏風岩か(私は銚子の外れの)、季節が急に秋に変った、岩の色、波の色が目に浮かぶ。 <冷まじや夕闇迫る古墳群>…古墳巡りをしている内に夕刻となり、古墳に人間の魂を実感した。 <冷まじや村の外れの土葬墓地>…今でも田舎にはいったん集落の隅などに土葬し、骨になったのを墓に入れるところがある。ワッと焼かれるのとは違う。何千年も続いている生死の習わし、無常観がある。 <猿沢の浮草紅葉塔映し>…奈良は、塔が素晴らしい。虚子も、塔は京都より奈良のほうが素晴らしいと書いている。
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