三遊亭好の助の「風の神送り」2017/04/01 07:05

 3月28日は第585回の落語研究会、国立劇場前の桜はまだほとんど咲いて いなかった。

「風の神送り」      三遊亭 好の助

「鹿政談」        蜃気楼 龍玉

「ねずみ」        入船亭 扇遊

       仲入

「親子酒」        柳家 花緑

三遊亭圓朝作「縁切榎」  柳家 喬太郎

 三遊亭好の助は、好楽の三番弟子、コメディ・マジック首くるくるの、ナポ レオンズのボナ植木(メガネで背の高い方)の息子だそうだ。 時代が進んで 医学が進歩すると、治らない病気が無くなる、と始める。 医者は失敗が許さ れないので、一人前になるまでの期間が長いけれど、落語家は一年ぐらいで高 座に上がって、失敗しても笑ってもらえる。 医者は名医と言う、名人と言っ たら怒られた。 歯医者で、麻酔をして歯を抜いた。 ぜんぜん痛くなかった ので、「先生は名人ですね」と言ったら、看護婦に名医と言いなさいと怒られた。  「看護婦さんはメイキですね」と言ったら、先生が「違います」。 (笑いが起 こると)こんな雰囲気のお客か、と。 胃が悪くて治らない、神経性って、言 われたんですが? 津田沼で、乗り換えなさい。 これ、群馬でやったら、受 けなかった。

 「弱り身に付け込む風邪の神」、町内で風邪引きがばかに増えた。 「風の神 送り」をやって、一杯飲もうということになる。 寄進を募るのに、奉加帖(好 の助は「ほうか」と言ったが「ほうが」だろう)を作ろう。 俺が書く…、硯、 墨、筆を。 墨を磨って、筆は洗って。 俺の後ろで、手を持って、「ホウ、カ、 チョウ」と。 なんだ、書けないのか。 仮名でよければ。 ハッ、ハッ、「ホ ーーウ、カ」。 字配りをしないから、いっぱいになったじゃないか。 横に「チ ョウ」と。 これが本当の、横丁だ。

 近江屋さんの所へ行こう。 面白い字だな。 あっしが書いた。 偉そうに 出てくるな。 私が初筆(しょふで)か、困ったな。 ここに二分ある。 「近 江屋さん、金二両」と書け。 二分だ。 はなは、大きく書くんだ。 「近江 屋、金千両也」、いいんだよ、消して「金二両也」。 次は、相模屋の旦那だ。  近江屋、金千両也を消して、金二両也か、本当は二分だな。 はい、二分。 「相 模屋、金二両也」。 次は伊勢屋、鬼の伊勢屋、イカの伊勢屋だ。 イカ? 切 っても、血も涙も出ない。 そんなの、やんないよ、帰えれ。 隠居さんの所 へ行こう。 隠居さん、一歩間違えると、鬼の伊勢屋になりますよ。

 「風の神」は、丸くて、横から見ると三角、上からは四角、どす黒くて、赤 みがさして、青白い。 その「風の神」を、鉦や太鼓で囃しながら、担いで行 って、川の中へ、「ソーーレ、ソーーレ、送れ! 風の神、送れ!」と、放り込 む。 誰だ、「お名残り惜しい」なんて、言ってるのは? 薬屋の若旦那。 ド ボーーン! 後ろを見るな、酒が飲めるぞ。 あなたも、お好きで。

 川下の舟、夜になって、この寒いのに、網打ち。 一、二、三、ソレッ! 何 か、かかったぞ、ずいぶん手応えがある。 丸くて、横から見ると三角、上か らは四角、どす黒くて、赤みがさして、青白い。 お前は誰だ?  風の神で。  道理で、夜網(弱み)に付け込みやがった。

蜃気楼龍玉の「鹿政談」2017/04/02 07:14

 蜃気楼龍玉は五街道雲助の弟子、長身、頭のテッペンだけが黒くて、白い顔、 鼻にかかった声を出す。 旅に出ると、土地土地の名物がある。 江戸は、武 士、鰹、大名小路、広小路、茶店、紫、火消、錦絵、火事に喧嘩に中っ腹、伊 勢屋、稲荷に犬の糞。 京都は、水、壬生菜、女、羽二重、御簾屋針、寺に織 屋に、人形、焼物。 大坂は、船に橋、お城、芝居に米相場、総嫁、揚屋に、 問屋、植木屋。 自分でも、よく憶えたなあ。

 奈良は、大仏に、鹿の巻筆、奈良晒、春日灯籠、町の早起き。 「奈良の大 仏」、5丈3尺5寸、メートルにすると、ずいぶん大きい。 手のひらの上で、 相撲が取れる、鼻の穴を、大人が傘を差して通り抜けられる。 傘を差して通 り抜けようとした男が落っこちた。 罰が当たったんだろうと言っていると、 医者が、鼻にカサがかかったんだから落ちたんだろう。

 奈良では、鹿をぶったら五貫文の罰金、殺したら死罪になる。 神様が常陸 の国から白鹿に乗ってやってきた(轟亭註・鹿島アントラーズのantlerは鹿の 角)、鹿はその白鹿の後裔ということになっている。 「町の早起き」、三条横 町の豆腐屋与平が、二番目の臼で豆を挽いていると、何か倒れる音がした。 「き らず」(上方で「おから」のこと。豆腐を女房ことばで「おかべ・御壁」)の桶 の所に、大きな犬がいて食っている、シッ、シッと追ったが逃げないので、割 り木をポーーンと放った。 犬は、その場にごろんと倒れた。 近づいて驚い た、鹿が死んでいた。 女房と、水を飲ましたり、人工呼吸をしたりしたが、 駄目だった。 噂はあっという間に広まり、鹿の護役塚原出雲と興福寺の僧了 然が願い人となって、奈良奉行所の根岸肥前守に訴え出る。 根岸肥前守は、 後に江戸南町奉行に栄転したお調べの上手な人、俗に赤鬼青鬼という役人が十 手を持って控えている。 与平、そのほう何歳か? 六十四歳にあいなります。  生国は? 奈良三条横町で。 住いではないぞ、奈良出生の者ではあるまい。  爺の代より三代、奈良三条横町で。 己の犯したことのわからぬようになる病 があるのであろう? 鼻風邪一つ引いたことがございません。 「きらず」を 食うのを大きな犬と思って、鹿を殺してしまったもので(意趣遺恨なくと、科 白のようになるのを、それは忠臣蔵六段目だ、と)、死罪は覚悟しております、 婆さんだけはご憐憫の沙汰を。

 鹿の死骸を持て。 なるほど、鹿ではない、犬である。 その方は、どうじ ゃ? 手前も、犬と。 その方は、どうじゃ? 確かに、手前も犬と心得ます る。 町役一同は、どうじゃ? 有難うございます、犬に相違ございません、 それが証拠に、ワンと鳴きました。 死んだものが、鳴くか。

 鹿の護役、僧了然、願い下げにしたらどうだ。 畏れながら、手前、長年鹿 の護役を致しております、これは牡鹿一頭に相違ございません。 牡鹿と言う が、角がない、角はどうした? お奉行様とも思えぬお言葉、牡鹿は春、角が 抜け落ち、これをこぼれ角、落ちたる後に生えるのを袋角と申し……。 ちと、 尋ねたきことがある。 毎年、鹿の餌料として三千両を遣わしておる、その鹿 が空腹のあまり、豆腐屋の「きらず」を食うのか、鹿の餌料を下々に貸し出し ておるという話も聞き及ぶ、鹿の餌料横領から先に取り調べようか。 それは 何でございます、すべからく、寿限無寿限無ごこうのすりきれ……。 その方、 これを鹿と申すか、犬か、鹿か、犬鹿蝶か。 犬でございます。 犬と申すの だな、角が落ちたようにも見えるが。 願書を差し戻す。 一同、帰れ。 こ れこれ与平、その方、豆腐屋だな、きらずにやるぞ。 おかべで、まめで帰れ ます。

 蜃気楼龍玉、きちんと物語り、なかなかの出来だった。

入船亭扇遊の「ねずみ」2017/04/03 07:01

 世の中いろんなことがある。 19歳で入門して64歳になった。 高卒で、 同期も多かった。 今は、大卒が多い。 東大、京大も、ほんとにいる、馬鹿 じゃないかと思う、親御さんが気の毒。 前座の時、「旅」という、九州に行く ことになって、初めて飛行機に乗った。 小三治師と一緒だったが、親切で、 スチュワーデスさんに、いろいろ教えてやってくれと言ってくれた。 扇ぽう (という名前でした)、富士山が見えるぞ、と。 思わず見上げた、静岡の生ま れなんで、見下ろすと罰が当たる。 今は、飛行機、めったにない。 東北へ は、夜行の寝台列車で行った。 三段ベッド、下っ端は中段。 新幹線が出来 て大宮発、上野からリレー号というのがあった。 ゆっくり楽しもうという旅 は、昔がよかった。 歩くのには、味わいがある。

 お泊りではありませんか、私の家に泊って下さいな。 坊や、宿はずれで、 客引きか。 大きな家ではありませんよ、きれいじゃない、障子が破けて、畳 も傷んでる。 泊まろう。 蒲団いりますか、二十文下さい、借りて来ます。  お客さん、先に行って下さい、仙台の町に入って、右に「虎屋」という大きな 家があります、その前の「ねずみ屋」という小さな家が、私の家で。

 さすが六十二万石仙台侯の御城下だ。 この細かい家が、「ねずみ屋」だな。  お客様、泊まって頂ける、有難う存じます。 私は、腰が抜けておりまして、 裏の小川で足を洗って下さい。 小川はきれいで、広瀬川に流れている。 お お、坊や帰って来たか。 お客さん、ご飯食べますか。 寿司を言ってきまし ょう、五人前。 五人前? 私もおなかが空いているし、お父っつあんも寿司 が好きで。 酒も二升。

 倅さんは、いくつ? 十二で。 遊びたい盛りだ、宿はずれで客引きをして、 えらいな。 中には、お腹立ちになる方もいて。 女中さんの一人でも置いた らどうだ。 年寄の愚痴話を聞いて下さい、私は前の大きな「虎屋」の主で、 奉公人も三十何人かおりました。 五年前女房に先立たれ、女中頭のお紺とい

うのを後添えに直しました。 その年の七夕祭の夜、どこの旅籠も一杯でして、 二階で喧嘩が始まりました。 止めに入った私は、どんと突かれて、階段を土 間まで落ちて、腰が抜けた。 医者、薬、加持祈祷、いろいろやりましたが治 りません。 一軒おいた生駒屋が友達で、おい宇平、倅の身体を見たことがあ るか、もうお前とは付き合わないぞ、と言う。 寺子屋から帰った倅の着物を、 無理やり脱がせると、身体中、生傷だらけ。 お父っつあん、おっ母さんは、 なぜ死んだのか、と泣く。

 倅と二人、物置にしていた、ここに移った。 三度の食事を届けさせていた が、それが二度になり、一度になった。 腹は立ったが、腰は立たない。 生 駒屋が三度、三度の食事を届けてくれて、いつ「虎屋」を譲り渡したのか、と 聞いた。 譲り渡します、という一札に、印形が押してある。 しまった、印 形は置いて来たままだった。 飼犬に手を噛まれた、お紺と番頭がくっついて いた。 倅が、何から何まで生駒屋さんの世話になる訳にはいかない、宿屋を やろうよ、と。 物置だったので、ねずみがいっぱいいた、ねずみに義理を立 てて、「ねずみ屋」にした。

 家に木っ端はあるか。 物置だったので、土間の隅に。 私がねずみを彫っ てみよう、お客さんを沢山呼べるように。 宿帳がまだでした、ご生国は? 飛 騨高山。 江戸日本橋橘町大工政五郎内、甚五郎。 あの飛騨の甚五郎様でし たか。 あくる朝までに、ねずみを一匹彫り、たらいに入れて、店先に出し、 竹の網をかぶせる。

 おーい、ちょっくら来て、見ろや。 飛騨の甚五郎作「ねずみ」としてある。  たらいの中、ちょっくら、見せてもらう。 木の色だが、えごくぞ、えごくだ よ。 木を彫ったものが、えごくな。 えれえことになった、ここに書いてあ る、「但し、見た人は当ねずみ屋にお泊りを」。 家は八丁しか離れていない、 家のカカ様は喧嘩が強い、鬼嫁だ。 二人が泊ると、噂が広まり、どんどん見 物が増える。 二列の行列が出来、二間に八十六人、立っても寝られない。 建 て増しをして、小僧や女中も雇った。

 「虎屋」、一人も泊らなくなる。 怒ったのが番頭、伊達様お抱えの彫師飯田 丹下に虎を彫ってもらった。 三日三晩で彫って、二階の手すりへ。 ねずみ をにらみつけると、ねずみが動かなくなった。 「ねずみ屋」の主、虎が座っ て、腹を立てた途端に、腰が立った。 江戸へ手紙を書いた。

 甚五郎が、二代目政五郎を連れて、乗り込んで来る。 宿はずれで、坊やに 会う。 虎というのは、あれか、二代目、お父っつあんは大工の名人だ、あの 虎はどうか。 それほどいい虎とは見えません。 そう、目に恨みがある、よ い虎は額に「王」が出る。 おい、ねずみ、わしはお前に魂を入れた、それな のに、なさけないぞ。 あれは、虎ですか、あっしは猫かと思いました。

柳家花緑「親子酒」のマクラ2017/04/04 07:16

 今日の噺は、みんな短い。 私もご存知の噺で、時間がある。 土地の食べ 物、例えば広島のお好み焼。 家の近所に、いい店を見つけた。 広島風とは 何だ、お好み焼だと言う。 自分で作るのは、不可能。 東京と大阪では、切 り方が違う。 大阪で「ピザ切りじゃん」て言われた、大阪は端から切る。 広 島は、クレープみたい。 その店、鉄板の前のカウンターがいい席で、6時ぎ りぎりに行ってもダメ、5時45分ぐらいに行けば、どうやら座れる。 6時半 には満員。 一杯ですね、と言うと、たまたまですよ、と言うけれど、いつも 混んでいる。

 目白に、同級生がやっている洋食屋がある。 いつも、いっぱいだねって言 うと、たまたまですよ、これ全部サクラ。 自信があるから、言える。 お蔭 様で、なんて言わない。 こういういいものを、取り込みたい。 落語会が終 って、一杯でしたねって、言われて、たまたまですよ、全部サクラで。

 長崎ちゃんぽんが好き。 皿うどんは東京で覚えた、新宿のクラブで権太楼 師が食べていた。 お前のは柳家だと言う、目白で近所の中華屋から取ってい た。 長崎は違うんです、ウスターソースが決まり。 皿うどんで終わり、夢 のよう、ワン・プレート、得した気分、おやつみたいなのは、子供の頃のベビ ースター・ラーメンのよう。 長崎では、お酢とか、かけるんですか? って 聞かれる。 どうぞ、かけて下さい、と。 ウスターソースかけると、美味し い。 よりベビースター・ラーメンに近くなった。

 (旅の)土地で、幕の内弁当出すの悲しい。 セットになってくるのは、土 地のお酒。 私は、お酒が苦手で、それが許されるようになった時代に甘えて、 今まで来ている。 隔世遺伝で、母は呑める、祖父の小さんは呑めなかった。  公園でひっくり返って、自由人に面倒を見てもらったりしていた。 三十いく つで、ポジティブに、はきはき覚えたと、言っていた。 そして、一升壜で朝 までハシゴ酒ということになった。 酒を呑めないって言うと、人生の半分、 損しているね、って言われる。 だけど、その人、人生、得しているようには 見えない。 主催者が、じゃあ焼酎をどうぞ、とくれた。 長崎では、アルコ ールって言わなければならない。 一か月ほど前の話。

 これから申し上げる噺は、親子が禁酒の約束をした噺で(と、派手な空色の 羽織を脱ぐと、濃い藍色の紋付の着物で、襦袢の衿が空色だった)。

柳家花緑「親子酒」の本篇2017/04/05 06:35

 親子が禁酒の約束をした。 十日、二週間、二十日、骨が折れる時になる。  なァおばあさん、今晩は冷えるな、何か温ったまるものが欲しい。 湯たんぽ をこしらえましょうか。 身体の中から温ったまるものだ。 葛湯でも。 ピ リッとしたものだ。 とんがらしのお湯? カッカして眠れなくなる。 いい 気持になるものだよ。 そんなもの飲んだら、捕まりますよ、お爺さん。

 倅の体の為を思って禁酒したんだ、私は老い先短いんだ、明日死んだら、悔 やみますよ。 呑んでる時、倅が帰って来たら、どうすんです、いけません。  妥協案を探ろうという話だ、お前には夫婦の情がない。 お前の思いはわかる、 私は呑み出すと、長っ尻(ちり)だ。 今日は一本だけだ。 あなたが一本で 済む人ですか。 呑みたいんだよ、今日は。 呑まないと身体に障る、長く看 病しなければならなくなる、気持が呑みたいんだよ。 一本呑めば、すーーっ と寝られる。 倅と私と、どちらの付き合いが長い。

 一本、終わって、拝む。 もう一本。 半分、持って来い! いつも以上に 酔って、べロンべロンになった。 お酒がないって言ってんの。 それだけ呑 んだら、もういいでしょう。 お酒を持って来て下さい。 ここまで来たら同 じだから。 (煙草を喫みながら)えっ、酔ってますねって、誰が? 私が? 馬 鹿なこと言っちゃいけない、ちゃんとしてますよ。

 えっ、何? 聞こえてないよ。 倅が帰って来ました。 そんなこと、早く 言え。 廊下で待たしておきなさい、お父さんは調べ物をしているからと。 こ れは台所に隠しなさい。

 長太郎か、こっちへ入んなさい。 (ベロベロに酔って)お父さん、ただい ま帰って参りました(舞台に頭をぶつけるくらいのお辞儀)。 お前、麹町の大 和屋さんに伺ったんだろう。 大和屋さん、一杯やっていらっしゃって、私に も呑めとおっしゃる。 一滴も吞めません、親と子、男と男の約束をしたんで す。 なぜ強情を張る、以後うちの出入りを止めるぞ、とおっしゃるから、私 は怒った。 たとえ出入りを止められても、呑まないと言ったら吞みません。  えらい、その意気が気に入った、まあ一杯吞めってんで、二人で二升五ン合空 けちゃった。 やっぱり好きなものは、なかなかやめられませんね、お父さん。

 情けない男だな、お前は…、お父さんを見なさい、こうして我慢しているの は、お前の身を思えばこそだ。 口うるさく言うのは、この家の身代をそっく りお前に譲ってやりたいと、思えばこそだ。 アー、アー、おい、おばあさん、 ちょいとここへ来てごらんなさい、倅の顔を、七つにも八つにも見える、化け 物だ。 ヤァ駄目だ、駄目だ、こんな化け物みたいな奴に、とてもこの身代は 譲れません。 ハッハッハッ、冗談言っちゃあいけねえ、お父さん、こんなぐ るぐる回るような家はもらったって、しょうがねえや。