小里んの「お直し」前半2013/07/23 05:57

 柳家小里ん、五代目小さんの弟子で、落語研究会は昭和の頃は出ていたが、 平成になってからは、初めてではないか。 「お直し」は、志ん生が昭和31 年12月の三越落語会で演って、芸術祭賞を受賞した廓噺だ。 志ん生のテー プで、さんざん聴いた。 小里んには悪いが、どうしても、それを思い出す。 しかし、だ。 結論を先に言おう。 小里んの「お直し」、とてもよかった。

 小里んはすぐ、赤い紐の羽織を脱ぐと、吉原の歴史から始めた。 女郎を「き つね」、芸者を「ねこ」、幇間を「たぬき」、若い衆を「ぎゅう」という。 張り 見世に女郎が並んで、格子馴染なんて言葉もある。 歳がいって、だんだん客 がつかなくなる。 御茶を挽く、ひとり残ると、ご主人に謝る。 それが何日 も続く。 若い衆が声をかけ、気にすんな、陽気にしてな、俺が取った鍋焼き でも食って、寝ちゃいなよ。 そんなことが重なって、いい仲になる。 主人 は商売だから、目敏い。 二人を呼んで、この稼業、仲間同士は堅いことにな っているんだ、決めることは決めなきゃあなんねえ、夫婦になったらどうだ、 証文を巻いてやらあ、ほかの奉公人に知れないように、親許身請(おやもとみ うけ)ということにして、家を借りて二人、通いで勤めな、と言ってくれた。

 女は女郎をやめて、おばさん、遣り手になる。 遣り手といっても、何もく れない、ただ貰いたがっているだけだ。 男はあいかわらず若い衆で、これだ けしか銭がないという客を、それだけで何とかなると上手いことを言って、登 楼(あげ)る。 おばさんは、それだけじゃあ何とかならない、紙入れ見せて、 こっちの袂(たもと)は、帯解いて、足袋脱いで、ほら、あった。

 ご祝儀は、給金の外で、入る一方、神社の神主さんのようなもの。 生活に 余裕ができると、亭主は千住へ遊びに行く。 女郎の扱いがすっかり気に入っ て、今晩、流すよ。 亭主は、どうした? すみません、風邪で。 急に休ん じゃあ、困るよ。 どうした、亭主は? 親戚に不幸が出来まして…。 その 内に、賭場にはまる。 家に寄り付かなくなる。 かみさんも、店に行かなく なる。 亭主は、家の物を持ち出して、また博打。 米食う虫がいる、家に何 もなくなった。 別れてくれと、かみさんが言い出した…。

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