殿ヶ谷戸庭園と昼食、平櫛田中彫刻美術館2018/10/17 07:10

 「お鷹の道」から坂を登って、国分寺駅近くに出て、殿ヶ谷戸(とのがやと) 庭園に入る。 国分寺崖線の地形をうまく利用したこの庭園は、元は三菱合資 会社の岩崎彦彌太が昭和4(1929)年に同社員・江口定條(さだえ)の別荘「随 冝園(ずいぎえん)」を買い取り、昭和9(1934)年に和洋折衷としての木造主 屋、庭園には紅葉亭を建て、主屋前面の芝生地と崖線下方の湧水、次郎弁天池 を結んで回遊式庭園を完成させた。 順路に従って巡ると、まず萩のトンネル がある。 やや時期遅れか、前に来たのも同じような時期で<盛り過ぐ萩のト ンネル風通る>と詠んでいた(以下の句も、その時のもの)。 花木園を過ぎて、 美しい竹林に沿う竹の小径、<崖線の日につつまれて竹の春>。 集合写真を 撮った紅葉亭の脇では、タイミングよく鹿おどしが鳴った。 出口近くに秋の 七草がある、<殿ヶ谷戸秋の七草みな素朴>。

 昼食は、ビルの17階(下に早稲田実業が見えた)にある「梅の花」国分寺 店、二子玉川や青葉台にある店には行ったことがあった。 「秋美人」という ランチで、献立表には11種も並んでいる。 「ふく福胡麻豆冨」というのが メインか、豆乳に胡麻を入れてかき回し、にがりを加えて温め、固まったのを、 箆ですくって、キノコあんをかけて食べる。 皆さん、満足満腹の様子で、時 間がだいぶ押したのだった。

 国分寺駅から西武多摩湖線で一駅、一橋学園駅で降り、小平市平櫛田中彫刻 美術館へ。 以前行った時にはなかった展示館という建物では、折から特別展 「明治150年記念 彫刻コトハジメ」展の開催中だった(11月25日まで)。  特別展のため、期待した平櫛田中作品との再会は、数がごく少なかったのが残 念だった。 《転生》《天心先生記念像試作》《唱歌君ヶ代》《姉ごころ》《森の 行者》《ウォーナー博士像》《岡倉天心胸像》《法堂二笑》《鏡獅子試作裸像》《鏡 獅子試作頭》《烏有先生》だった。 平櫛田中旧居の記念館の方では、たまたま 江戸糸あやつり人形一糸座の「人形浄瑠璃公演」が行なわれていて、そちらに ある数々の平櫛田中作品が見られなかったのだ。 それでも、特別展でヴィン チェンツォ・ラグーザの《大鳥圭介像》を始め、高村東雲、大熊氏廣、高村光 雲、戸張孤雁、荻原守衛、朝倉文夫、中原悌二郎などの作品を見ることができ た。

 平櫛田中彫刻美術館を出て、木々の生い茂った玉川上水に沿った道を、江戸 東京たてもの園のある都立小金井公園方向へ向かって、つまり中央線で国分寺 -武蔵小金井間の距離を、ひたすら歩く。 途中でバスに乗る予定だったが、 「歩こう会」の名にふさわしい歩きとなった。 小金井公園内も広く、江戸東 京たてもの園に着いた頃には、相当くたびれていて、入口で解散した後は、と っかかりの二、三軒の建物を見て、早々に帰路についた。 万歩計は、21,541 歩であった。 十分な下見もして楽しい散策を企画し案内してくれた12期の 岡田幸次郎さんに深く感謝である。