「生きるのが下手」「心を開いていれば」「明日がないから」2018/10/30 07:19

 坂本龍馬について長々と書き、お読み下さった方もくたびれただろうが、書 いた私もくたびれた。 そこで息抜きにと古いメモをかき回していたら、こん なのがあったので、手抜きで引いておく。

 ○「人間はみんな、生きることが下手だ。/どんなに幸せに生きている人で も、どこかしら下手くそだ。生きることに上達する人もいない。生まれてから 死ぬまで、誰もがみんな下手で下手で下手で、下手なまんまで生きてゆくのだ。」 (宮部みゆき「山本周五郎と私」「不幸のみなもと」『波』2013年11月号)

 ○森澄雄先生を師と仰ぎ俳句と共に人生の生き方を教えて頂きました。「心を 開いていれば、俳句は向こうからやってくる。人生もそうだよ。」「自分をいと おしいと思わない者には、俳句はつくれないよ。」「運命などと言うものはない。 命は自分で運ぶんだよ。」この三つの言葉が自分を支えてくれました。(岡本多 満喜句集『蜩(ひぐらし)』(ふらんす堂)の「あとがき」から。ブログ「ふら んす堂編集日記」より)

  ○「だから、人間はあしたってわからないですよ。皆さんもきょう、秋晴れ のこんないいお天気の日に、こんなところに(笑)、文化を愛するからいらっし ゃったんだと思うんですけれども、あしたはわからないですよ(笑)。/きょう がもう最後だと思って、きょう食べたいものを食べて、飲みたいものを飲んで、 会いたい人に会って、そして読みたい本を読んでください。/台風も地震も、 そして戦争だって、あしたにも始まっちゃうかもしれない。変な時代です。そ んな不安な時代に本なんか読んでいられるかと思うかもしれませんが、不安な 時代だから、明日がないから、きょうは本物の本を読みたいんです。そうして、 文化をお腹一杯食べて眠りたいですね、芸術も文化も、体の栄養にはならない けれども、心の栄養には絶対必要です。これを忘れないでください。」(瀬戸内 寂聴講演「これまでの一〇〇年、これからの一〇〇年」『図書』2014年1月号)