春風亭一之輔の「鰻の幇間」前半 ― 2019/08/31 08:24
昨日あたりから涼しくなってきたけれど、侮れないのが夏でね、あいつは… …。 なまじ涼しくなってもらいたくない。 ぐったりしていて、一番欲しい のは、労働意欲。 初期設定が大事、初期設定は好きな四字熟語。 かみさん と、お小遣い制にすると、後悔する。 よかったのは、寄席という所ではお金 を頂戴していないと、かみさんが思っていること。 修業の場、大変なお仕事 だと。 TBS落語研究会は、仕事の場、そんなにはもらえない、立派なビルが 建っているけれど。 かみさんに、弁当を渡す。 津多屋ね。 初期設定が大 事、前座からそう、打ち上げで謎かけなんか始まっても、黙って座っている。 お客さんが、謎かけやってくれる。 幇間は、大変な商売、話を聞き出して、 膨らませる。
暑いね、汗が滲み出て来るよ。 そこ行くのは、師匠じゃないか? 誰だっ け? あ、どうも、大将、ご無沙汰しています、お会いできて一八、感激で。 先だっては、ご馳走様になりました。 どこで? 屋根があって、玄関がある 所で。 どこでもあるよ。 本日は、どちらへ。 湯だ。 お供します。 お 供、お供。 たもとを引っ張るんじゃないよ。 清く、おまんま食って、お別 れというのはどうだ、鰻なんか。 ウナトト、結構ですね。 私の知ってる家、 店は汚いんだが…、たまには家に遊びに来てくれよ、せんのとこだ。 家内も 会いたいって言っているよ。 おかみさん、お元気で、伺います。 せんのと こだ。 道に面していて、玄関がある所ですね。
この店だよ。 傾いている、外見より中身ですから。 「考える店」だねえ、 ロダンを彷彿とさせる。 二階へ。 愛想がないね。 どこでも、お勝手に。 (指で触って)お膳に、字が書ける。 お酌を、私が万事致します。 ご返盃、 頂きます。 ウッ、ハッハ、目が覚めるくらい、うまい酒で。 香香、いいで すね。 一流の鰻屋は、鰻が焼けるまで、つなぐのが香香で。 焼けて来た、 早いね。お姐さん。 入れ物、銘々違う器か。 箸つけると、とろける……、 ヨッ、ヨー、ヨー、弾みが違う。 バ、バ、バン、一番太鼓、箸の頭を叩く。 天然物です。 根性がすわってるよ。 カッカッカ、アアラ、倒れるよ。 は ばかりですか、お供します。 いいよ。 しくじってませんか、私。
いい客だよ、若く見えるけれど、末(す)枯れているよ。 芸人遊ばせてよ。 おかみさん、忘れちゃったけれど、将を射んとする者はまず馬を射よか。 芸 人の浴衣が沢山あるって言っていたな…。 一八、取っときな。 いりません よ。 祝儀頂戴だ、私からだ、私からだ。 三度目に断わったら、失礼だ。 や められないな、この仕事。 向いてないかもしれないと、思ったこともある。 誰だったけな。 芸人はまめでなきゃあ。 お姐さん、はばかりはどこ。
お迎えに参りました。 長浜、長いはばかり。 何、笑ってんだ。 いませ んわ。 一、二、三、で戸を開けて。 一ですよ、二かな、三かな、二でした。 三、ワッーーーッ、上でなく、下でなく、大将!
お姐さん、いないよ。 お帰りになりました。 大変な人ですよ、偉い人で すね。 帳場に預けてった、キュッとひねったこういうの、二階までご運搬願 います。
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