薔薇園吟行の選句、主宰の選と御句 ― 2008/05/31 06:43
「枇杷の会」旧古河庭園吟行での、私の選七句である。 ジョサイア・コン ドル設計の白い窓枠が印象的な、黒い石造りの洋館では、結婚式をやっていた。
遠つ世の出窓を掠め夏燕 洋太
渓谷の闇へ降りゆく日傘かな 同
白薔薇の思ひのほかの白さかな 同
四肢伸ばす五月の亀や雨催ひ 同
薔薇の緋のうち重なりぬ挙式の日 知水
心字池水面に映える薄衣 英雄子
心字池佇む人の日傘かな 孝治
蓋を開けてみれば、洋太さんの句を四句も採っていた。 この内、〈遠つ世の〉 と〈心字池水面に〉は主宰選になかった。 主宰は〈渓谷の闇へ降りゆく日傘 かな〉の「闇」が強すぎると「暗さ」とし、「かな」を取って〈渓谷の暗さへ降 りてゆく日傘〉と添削した。 「見学参加」、実はいつもうまい人で、この日の 祐司さんも、七句全部が主宰選に入っていた。
ゆるき坂登りて行くや若葉風 祐司
薔薇園や団子一皿三百円 同
突き刺して薔薇の落花を集めをり 同
本井英主宰の御句から。
つぎつぎと薔薇を揺らして同じ風
白薔薇のしまひこみゐる象牙色
もう一度薔薇をめぐりて辞すことに
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