「照葉樹林文化論」と、その現在 ― 2008/11/09 06:46
7日の余談の続き。 ウィキペディアの「照葉樹林文化論」によれば、この 論を主に担ったのは、中尾佐助さんに加えて、佐々木高明さん。 文化人類学 者である彼らは、日本の生活文化の基盤をなす主な要素が、中国雲南省を中心 とする東亜半月弧に集中するとして、類似した文化の広がる地域を照葉樹林文 化圏と名付けた。 この文化圏の特徴として具体的に挙げられているのは、根 栽類の水さらし利用、絹、焼畑農業、陸稲の栽培、モチ食、麹酒、納豆などの 発酵食品の利用、鵜飼、漆器製作、歌垣、お歯黒、入れ墨、家屋の構造、服飾 などである。
「照葉樹林文化論」は一時期、極めて強力な影響力を持ち、日本列島西半分 の文化を全てこれで説明しようとする論考も珍しくなかったが、現在では、多 方面から検討が加えられ、照葉樹林文化は、日本列島に影響を及ぼした様々な 文化圏のうちの一つに過ぎないという見方が有力になっている、という。
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