「囀」と「朝寝」の選句2008/04/14 06:30

 「囀」と「朝寝」の句会で、私が選句したのは、つぎの七句だった。

 囀の小気味よき朝迎へけり       芳三郎

 囀に遠く答ふる一羽をり        和子

 囀や樹々の膨らむ雨あがり       秋

 晩年の始まってゐる朝寝かな      英

 好日や朝寝をもって始まれる      華

 つつがなく里帰りして大朝寝      華

またもとの二人となりし朝寝かな    なな

 英主宰も選句され、人気のあった句には、つぎのような句があった。

 梢(うれ)高く囀りやまぬ一羽かな    和子

 囀やホテルの庭は湖つづき       なな

 囀に重ねて法鼓響きけり        梓渕

囀るは賢治の森や声々に        明弘

 朝寝して朝餉は抜きといたしけり    秋

 心地よきリネンのシーツ朝寝かな    美保

 山荘の散策組と朝寝組         ひろし

 私は「囀」で沢山の鳥を考えていたが、主宰の選評で、一羽がしきりに鳴く のも「囀」だということがわかった。 <囀やホテルの庭は湖つづき>のよう な、表現に技巧をこらすのではなく、いかにも気持よい景色を詠むのも俳句の 一つのいきかただということも。