「川柳つくり方教室」で実作2016/11/22 06:32

 子供の頃からの年季の入った落語好きだから、日頃、俳句を詠んでいて、つ い川柳っぽい句を詠んでしまうことがある。 たとえば、こんな句だ。

   鮟鱇によく似た顔の人に会ふ

   啓蟄や頭を刈りに家を出る

   なめくぢら名のある塩を浴びせられ

   家の内徘徊蜘蛛と共棲す

   初句会鳴かず飛ばずで始まれり

 実は最近、私も川柳を詠む機会があった。 横浜市青葉区在住の人を中心と した「青葉三田会39会」という同期の会がある。 そこに文化地理研究会で 一緒だったメンバーが三人もいるご縁もあって、昨年の「寺家ふるさと村の陶 芸体験と散策」から参加させて頂くようになっている。 11月2日に「川柳つ くり方教室」があった。 事務局のHさんが、夢迷人(む・めいじん)という 川柳の世界では有名人で、1996(平成8)年『夢迷人のいまどき川柳毒本』(エ イムック)を出版、NHKの番組で大々的に紹介され、綾小路きみまろに数多 く使われた。 ネットで趣味の川柳同好会を開いたり、スポーツ紙にお色気川 柳を連載したりしているのだそうで、今回の講師を務めてくれた。 青葉台の 「梅の花」で豆腐ランチを食べ、説明を聞いて、実作も試みた。

 川柳は江戸時代にお上への反論として始まり250年の歴史がある。 <セク ハラのちょっとのミスが我が女房> 川柳は「人の心を詠む」、「人の心情」を 五七五で表現したもので、夢迷人の発想の原点は、その「人の心情」が「人の 実際の行動」と少しズレる時にあるという。 どんな人もたくさんの感情を持 っている。 泣いたり、笑ったり、怒ったり、喜んだリ、恥ずかしがったり、 悲しんだり…。 どんなにクールで理性的な人でも、その人の行動はやはり感 情に基づいている。 その「理性」と「感情」のギャップが、川柳の創作の原 点になる。

 もう一つの発想の原点は、「対峙」。 人は誰でも他人と対峙して、向かい合 って生活している。 夫と妻、親と子、上司と部下、恋人同士、同僚仲間、友 人、ご近所の人、車中の人というように、いつも大勢の人の中に自分の存在が ある。 この自分と他人の関係の中に、「理性」や「感情」のギャップを見つけ て、川柳に詠むのだ。

 さっそく、みんなで実作を試みた。 私の出したのは、次の三句。

名人に川柳習い脱凡人

へそまがり同い年だよボブ・ディラン

真っ先に冬を感じる頭寒かな

 みんなで挙手をして、評価したところ、私の句は俳句同様「鳴かず飛ばず」 の結果だった。 得票の多かった作品は、つぎの通り。

金賞  なまじっか会話するので家庭不和 Kさん 6票

銀賞  ドゥテルテは米中日を手玉にし  Tさん 5票

    聞いたかい聞いてないわよ今日もまた SさんTさん合作 5票

銅賞  小池節豊洲の土で盛り上がり Fさん 4票

    もう逝きたい言いつつ母飲むアリナミン Nさん(紅一点) 4票

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