深見けん二氏編「高浜虚子略年譜」2015/11/30 06:26

 本井英先生の「虚子への道」一覧に併せて、それぞれの内容を読み、活用す
る手がかりとして、深見けん二氏編の「高浜虚子略年譜」、以前NHKカルチャ
ーラジオの『選は創作なり 高浜虚子を読み解く』テキストに付されたものに、
年月日等を洋数字にし、西暦を加えて引用させて頂くことにする。

 高浜虚子略年譜   深見けん二氏編
NHKカルチャーラジオ「詩歌を楽しむ」『選は創作なり 高浜虚子を読み解
く』テキスト(2011年4月~6月)所収

明治7(1874)年(0歳)…2月22日、松山市長町新丁に生れた。本名は清、
伊予松山藩士池内庄四郎政忠の五男。母柳。
明治15(1882)年(8歳)…5月、祖母峯没。祖母方の高浜家を継ぐ。
明治24(1891)年(17歳)…5月、同学河東秉(へい)五郎(碧梧桐)を介
して東京の正岡子規に初めて手紙を送る。6月、松山に帰省した子規と初めて
会う。10月、子規の手紙により清にちなみ虚子と号する。
明治25(1892)年(18歳)…4月、伊予尋常中学校卒業。9月、京都第三高等
中学校に入学。
明治28(1895)年(21歳)…子規、日清戦争従軍記者となるが帰路喀血。そ
の子規を神戸病院・須磨保養院で看病。12月、道灌山で子規に後継者となるこ
とを求められたが辞退。
明治30(1897)年(23歳)…1月、柳原極堂が松山で、「ほとゝぎす」を発刊。
6月、大畠いとと結婚。
明治31(1898)年(24歳)…3月、長女真砂子生まる。10月「ホトトギス」
を東京に移し、発行人となる。
明治33(1900)年(26歳)…9月、根岸子規庵にて初めて「山会」(文章会)
が開かれ、出席。12月、長男年尾生まる。
明治35(1902)年(28歳)…9月、子規没。
明治36(1903)年(29歳)…11月、次女立子生まる。
明治38(1905)年(31歳)…夏目漱石の「吾輩は猫である」が、1月号より
「ホトトギス」に連載され好評。
明治39(1906)年(32歳)…3月、翌年1月まで碧梧桐に対抗して「俳諧散
心」を開催、41回に及ぶ。10月、次男友次郎生まる。
明治41(1908)年(34歳)…2月から9月まで、「国民新聞」に「俳諧師」連
載。8月1日より31日まで、毎日、日盛会を催す。10月、「ホトトギス」に雑
詠欄を設ける。同月、国民新聞社に入社、文芸部を創設し、文芸部長となる。
明治42(1909)年(35歳)…1月~6月まで「国民新聞」に「続俳諧師」を連
載。5月、三女宵子生まる。
明治43(1910)年(36歳)…9月、国民新聞社を退社。12月、鎌倉に転居、
以後没するまで鎌倉に住んだ。同月、鉄道院の嘱託となる。
明治44(1911)年(37歳)…4月、6月、朝鮮に遊び、7月、小説「朝鮮」を
「大阪毎日新聞」「東京日日新聞」に連載。
大正元年(明治45(1912)年)(38歳)…7月、「ホトトギス」誌上に雑詠欄
を復活。同月、四女六子生まる。
大正2(1913)年(39歳)…1月、碧梧桐らの新傾向に反対し俳壇に復活する。
大正3(1914)年(40歳)…4月、四女六子没。
大正4(1915)年(41歳)…1月、五女晴子生まる。同月、小説「柿二つ」を
「東京朝日新聞」に連載。4月、「進むべき俳句の道」を「ホトトギス」に連載。
大正5(1916)年(42歳)…1月、「落葉降る下にて」を「中央公論」に発表。
大正8(1919)年(45歳)…1月、新作能「実朝」を「中央公論」に発表。6
月、六女章子生まる。
大正9(1920)年(46歳)…10月、軽微なる脳溢血にかかり、1カ月静養。こ
れより還暦まで禁酒。
大正12(1923)年(49歳)…1月、「ホトトギス」発行所を丸ノ内ビルディン
グに移す。
昭和3(1928)年(54歳)…4月、大阪毎日新聞講演会で「花鳥諷詠」を講演。
昭和5(1930)年(56歳)…8月、「武蔵野探訪」はじまる。
昭和6(1931)年(57歳)…7月、前年の句稿を整理し「句日記」として「ホ
トトギス」に発表。10月、水原秋櫻子「ホトトギス」を離れる。
昭和9(1934)年(60歳)…11月、虚子編『新歳時記』(三省堂)刊。
昭和10(1935)年(61歳)…11月、中村吉右衛門のために「髪を結ふ一茶」
を書き、東京劇場で上演される。
昭和11(1936)年(62歳)…2月、六女章子を伴い、渡仏の途につく。6月、
帰朝。
昭和12(1937)年(63歳)…6月、句集『五百句』刊。同月、帝国芸術院創
設に際し会員に推さる。8月、句会を休んで『ホトトギス雑詠選集春の部』の
選句にあたる。昭和18年までに春の部、夏の部、秋の部、冬の部の四冊刊。
昭和17(1942)年(68歳)…6月、日本文学報国会俳句部長となる。12月、
『俳句の五十年』刊。
昭和19(1944)年(70歳)…9月、信州小諸町に疎開。
昭和20(1945)年(71歳)…8月、終戦。12月より小諸草庵で稽古会を催す。
昭和21(1946)年(72歳)…6月、「ホトトギス」六百号記念小諸俳句大会を
開き、以後各地の「ホトトギス」六百号記念俳句会に出席。12月、「ホトトギ
ス」六百号。同月、『小諸百句』刊。
昭和22(1947)年(73歳)…1月、「苦楽」に「虹」を発表。10月、小諸を
去り、鎌倉に帰る。
昭和23(1948)年(74歳)…8月、朝日新聞「朝日俳壇」の選者となる。
昭和25(1950)年(76歳)…7月、鎌倉草庵にて、新人会、春菜会、笹子会
の若者を主体に、稽古会を催す。昭和33年まで継続。
昭和26(1951)年(77歳)…3月号より「ホトトギス」雑詠選を長男年尾に
譲る。一方星野立子主宰「玉藻」に、「俳諧日記」を載せはじめ、力を入れ、昭
和27年より「俳話」を載せる。
昭和28(1953)年(79歳)…10月、比叡山に赴き、逆修石塔(いわゆる虚子
塔)開眼式に列する。
昭和29(1954)年(80歳)…「玉藻」連載中の「研究座談会」に、立子と共
に加わる。11月、文化勲章を受く。
昭和30(1955)年(81歳)…1月、『俳句への道』刊。4月、朝日新聞「朝日
俳壇」に、「小俳話」を連載(隔週)。後に『虚子俳話』として刊行。
昭和33(1958)年(84歳)…「ホトトギス」1月号より「私―謡、家」を載
せはじめる。8月、虚子庵の改築がはじまる(翌年1月完成)。
昭和34(1959)年(85歳)…4月1日、脳幹部出血で倒れる。8日、午後4
時、虚子庵にて永眠。戒名は、虚子庵高吟椿寿居士。14日、従三位勲一等瑞宝
章を賜う。17日、青山斎場にて葬儀。墓は鎌倉寿福寺。

小人閑居日記 2015年11月 INDEX2015/11/30 08:24

6813 一之輔の「ふだんの袴」<小人閑居日記 2015.11.1.>
6814 雲助の「文違い」前半<小人閑居日記 2015.11.2.>
6815 雲助の「文違い」後半<小人閑居日記 2015.11.3.>
6816 生志「猫の皿」のマクラ<小人閑居日記 2015.11.4.>
6817 生志「猫の皿」の本篇<小人閑居日記 2015.11.5.>
6818 一朝の「大工調べ」前半<小人閑居日記 2015.11.6.>
6819 一朝の「大工調べ」後半<小人閑居日記 2015.11.7.>
6820 池田弥三郎さんの育った家、芸能と宗教<小人閑居日記 2015.11.8.>
6821 岡野弘彦さんの「折口信夫・池田弥三郎」思い出話<小人閑居日記 2015.11.9.>
6822 『折口信夫芸能史講義 戦後篇』(上)<小人閑居日記 2015.11.10.>
6823 晩秋の鎌倉へ「小さな旅」<小人閑居日記 2015.11.11.>
6824 鎌倉の四季を描いた映画『海街diary』<小人閑居日記 2015.11.12.>
6825 鎌倉「山側のまちづくりの歴史」<小人閑居日記 2015.11.13.>
6826 鎌倉「海側のまちづくりの歴史」<小人閑居日記 2015.11.14.>
6827 難攻不落の鎌倉、ついに滅亡<小人閑居日記 2015.11.15.>
6828 「冬日和」と「一茶忌」の句会<小人閑居日記 2015.11.16.>
6829 伝馬町牢屋敷の会計記録<小人閑居日記 2015.11.17.>
6830 「三遊亭兼好独演会」のマクラ<小人閑居日記 2015.11.18.>
6831 三遊亭兼好の「高砂や」<小人閑居日記 2015.11.19.>
6832 兼好「親子酒」のマクラ<小人閑居日記 2015.11.20.>
6833 兼好「親子酒」の本篇<小人閑居日記 2015.11.21.>
6834 吉祥寺を覗く、由緒ある寺だった<小人閑居日記 2015.11.22.>
6835 鳥谷部春汀の「新聞記者・福沢諭吉」<小人閑居日記 2015.11.23.>
6836 築地の「日本近代文化事始の地」記念碑二つ<小人閑居日記 2015.11.24.>
6837 『解体新書』と『蘭学事始』<小人閑居日記 2015.11.25.>
短信 6838 『夏潮』100号と「虚子への道」<等々力短信 第1077号 2015.11.25.>
6839 福沢諭吉と『蘭学事始』<小人閑居日記 2015.11.26.>
6840 「フルヘッヘンド」と「連城の玉(璧)」<小人閑居日記 2015.11.27.>
6841 築地の木造建築群が「危機遺産」に<小人閑居日記 2015.11.28.>
6842 本井英先生の「虚子への道」一覧<小人閑居日記 2015.11.29.>
6843 深見けん二氏編「高浜虚子略年譜」<小人閑居日記 2015.11.30.>