有竹修二著『講談・伝統の話芸』 ― 2011/01/10 06:47
有竹修二さんの『講談・伝統の話芸』(1973(昭和48)年・朝日新聞社)と いう本が、本棚にあった。 函入の立派な本である。 なぜ買ったか事情は忘 れたが、ヒントになりそうなことが「あとがき」に書いてあった。
「講談という話芸に対して、いささか大仰にいうと、私の青春の精魂を傾け ました。大正後半から昭和の初めにかけて、半日を釈場の一隅でおくる日が多 かったのです。戦後、そのころの記憶をもとにして、講談に関することを、い ろんな機会に、あれこれと書きました。この道の人、田邊南鶴師が主宰した『講 談研究』という月刊の小冊子にしばしば寄稿し、和木清三郎氏(もと改造社員、 三田文学編集人)が独力で経営していた『新文明』に、毎号のように講談のこ とを執筆しました。これらの文章をまとめて一本の著書にしては、という人が 二、三ありましたが、なかにも小泉信三先生が切にそのことを奨められました。」
私はおそらく、『三田評論』か何かで、有竹修二さんの自著紹介か、小泉信三 さんの書評を、読んだのであろう。 本の帯に「〈講談〉の魅力を語る」「“講談” を愛しつづけて五十余年、この“伝統話芸”の味を知りつくした権威が贈る待 望の一冊! 忘れ得ぬ名人、名講釈のあとをたどりながら、釈界はなやかなり し時代の思い出を語る。 巻末に「現代講談師一覧表」・「講談についての文献」 を添えて― “釈場”の世界に読者を招待する!」
巻末の著者紹介によれば、有竹修二(ありたけ・しゅうじ)さんは、明治35 年大阪生まれ、慶應義塾経済学部卒。朝日新聞政治記者、論説委員、昭和21 年退社。時事新報社編集局長、常務取締役たり。現在朝日新聞社客員、静岡新 聞論説委員。昭和政治史研究を続ける。著作『昭和の宰相』『大蔵省外史』の他、 伝記もの十余篇。趣味 邦楽、関東地誌研究、講談、俳句誌『若葉』同人(俳 号秋耳)。
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